日本よ、侍国家たれ。

日本は「サムライ国家」としての意気を示し、いわれなき批判を仕掛けてくる不届き国家に対し、断固反論しなければならない。

●韓国人に生まれなくて良かった

 

http://diamond.jp/articles/-/117809

 

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「韓国人に生まれなくて良かった」元駐韓大使が心底思う理由

 

● なぜ韓国の国民は 格差問題に激しく反応するのか

韓国では、崔順実容疑者の国政への関与と大統領府が絡んだ収賄疑惑で百万人規模の朴槿恵大統領退陣要求が発生した。そのため国会で朴大統領弾劾が決議され、大統領職は停止されている。現在、憲法裁判所の裁判と特別検事による捜査が続けられており、憲法裁判所で弾劾が可決されれば、朴大統領は失職し、2ヵ月以内に大統領選挙が行われる。

現在立候補すると見られている人々は、黄教安大統領代行を除くといずれも反朴の野党系であり、新政権の下では北朝鮮との融和姿勢や日韓関係への強硬な姿勢が懸念されている。

朴大統領が弾劾されたのは、数百万といわれる市民のデモである。5000万人の国民によって選出された大統領が、支持率が5%前後に落ち込んだとはいえ、本人の有罪が確定していない時点で、一部の市民のデモで退陣に追い込まれるのは民主主義国家と言えるのか疑問が提起される。日本でこのようなことが起きることはないであろう。

しかし、韓国はこれが現実である。その背景として、「7放世代」(格差社会によって、就職、恋愛、結婚、出産、マイホーム、夢、人間関係という人間として基本的な希望を失った世代)の存在や、政界と財閥の癒着、崔順実容疑者の娘の不正入学などの問題が指摘されている。

とはいえ、格差はどの社会でも多かれ少なかれ存在する問題であり、何故韓国の国民が他国とは比較にならないほどこのように激しく反応するか、それは韓国社会の実態を見ないと理解できないと思う。

私は、韓国人に生まれなくて本当に良かったと思う。韓国は過酷な競争社会である。大学の受験戦争、就職難、結婚難、老後の不安、OECDの中で最も高い自殺率……。加えて男性が虐げられた社会である(女性はそうは思わないかもしれないが、男性にとって悲しい現実)。

私は、日本で試験に合格して外交官になり、最後には大使にもなった。しかし、韓国に生まれていたなら、その過酷な競争社会のプレッシャーに勝てなかったかもしれない。家族全員で、子どものために大変な犠牲を払っても報われない現実。しかし、一部のエリートはそうした競争を回避していい思いをしているとの羨望。そうした不満が鬱積しているのが韓国社会である。

そうした現実の中、朴大統領は経済民主化を旗印に、格差是正を公約して大統領に当選した。しかし、そのスローガンはいつの間にか消え、密室の中で大統領が正体不明で胡散臭い崔容疑者に操られて国政を危うくし、政界と財閥が癒着して一部の人だけが良い思いをしていると、失望感が広がっていた。そのため、崔容疑者の事件がなくても次の大統領選挙では野党が有利と言われてきた。

韓国は隣国であり、北朝鮮という脅威に対抗するためには否が応でも付き合っていかなければならない国である。そうした国とどう向き合うべきか考える前提として韓国社会を見てみたい。



● 人生を決める大学受験 常軌を逸した教育費

韓国ではどの大学を卒業するかによって「人生が決まる」と言われており、大学進学率は短大・専門学校を含めると80%台(日本は約50%)という超高学歴社会である。

韓国で日本の大学入試センター試験にあたる「大学修学能力試験」が行われる日には、パトカーがサイレンを鳴らし遅刻しそうな受験生を試験場まで連れていく、ヒアリング試験の行われている約30分間は飛行機の離着陸まで禁止される、という日本では考えられないことが起きている。大学入試は、各大学でも内申書を参考とし、面接、小論文の試験を行っているが、「大学修学能力試験」の成績の占める割合は高く、高校3年間の努力が一日で決まるのである。

しかもその努力たるや。高校生は、朝、2つの弁当を持って登校する。放課後、夜の10時まで図書館に籠って自習し、その後は「学院(ハグォン)」で勉強を続ける。まさに人生を懸けた戦いである。

しかしその戦いは受験生ばかりではない。韓国では、受験戦争の弊害を和らげるために1974年に「高校平準化」を導入し、中学、高校受験をなくして、抽選で地域の高校に振り分ける方式を導入した。しかし、規制の強化で受験戦争の弊害を取り除くことはできない。代わりに課外授業が活発となり、家庭に収入に占める教育費の割合は一層高まった。韓国では家庭教師に月100万ウォン、150万ウォンを払っても1科目か2科目であり、有名教師ならもっと高くつく。学院(ハグォン)という塾でも週2~3回の進学塾的なところで月30~50万ウォンくらいになる。

 

 

韓国で、中流といわれる家庭では月収が月300万ウォン程度であるから、そこから一人の子どもに月100万ウォンを払う家庭の生活はどうなるのか。少し収入の多い家庭でも余裕はない。小学校から母子で海外に留学する子も多く一歩でも先に出ようとする。韓国では、共稼ぎをするか、借金をするか、財テクで成功しないと子どもを大学にやれないのが現実である。

サムスンの就職倍率は700倍 過酷な就職事情

韓国では、このように苦労し大学を出ても厳しい現実が待っている。

韓国は主要財閥10グループの総売上高がGDPの約75%を占める。しかしソウル大学を卒業すれば、サムスン電子や現代自動車に就職できると期待しても、全求人のうちそうした財閥系企業が占める割合は1%に過ぎない。ある程度の企業に就職しようとすれば、TOEIC800点以上は最低条件、大手企業ともなれば900点以上が必要である。入社試験の倍率はサムスン電子では700倍といわれている。

2015年の韓国の若年失業率は9.2%と史上最高を記録している。ソウル大学の卒業生でも就職率は50%といわれ、就職できない人は、大学院に行くか、海外留学するか、親族企業で働くか、就職のための留年をするかである。そうした余裕のない人は非正規社員として働くしかない。その割合は正規社員よりはるかに高いのが現実である。

韓国人は非常に見栄を張る人々である。自分が期待する就職先が得られないと、あたかも落伍者のような気持になる。ソウルの日本大使館で、電話交換兼受け付け業務の職員を募集したことがある。一人の応募に対して30人ほどの応募があったが、その応募者は、日本語はもちろん英語もでき、日韓関係に関する質問も的確に答えていた由である。韓国の名もなき中小企業に就職するよりも、日本大使館の方が恥ずかしくないということのようである。



● エリートでないと結婚も難しい 過酷な結婚事情

韓国では、大学を出ていないと結婚も難しいといわれる。しかも、いい結婚相手を見つけようとすれば、一流大学を出て、一流企業に働いていないといけない。結婚に関わる経費も膨大である。新居は新郎側、家財道具は新婦側が持ち寄るのが習わしである。新居がないと嫁をもらえない、新婦側の家財道具や持参金が足りないとして離婚するケースも生じっている。

 

朝鮮日報が「親の涙で挙げるウェディング」という見出しの特集記事を掲載したが、それは親の全財産をはたいても結婚費用が足りず、多額の借金を背負うことになった話である。韓国は体面を重視するため、派手な結婚式をしたがる。しかし、そのことが韓国人の生活を苦しめているのである。


経済的理由から「非婚」を選ぶ人も増えている。就職が厳しいので安定した収入がない、結婚の費用が賄えない。



● 子育てで散財の末 過酷な老後の事情

韓国では、子どもの教育費に散財し貯えの乏しい家庭が多い。加えて子どもの結婚費用にそれまでの蓄財を使い果たし、借金までする親がいる。2014年に基礎年金制度が発足し、所得が下から70%までは月に10~20万ウォンが支給されているが、国民年金や公務員年金を受給する高齢者はわずか32%である。

高齢者の収入を比較すると日本は16万円、韓国は36万ウォン(3万6000円)であり、高齢者の貧困比率は48.6%である。日本では、高度成長期に会社勤めをしていた人ならば、国民年金と厚生年金に加入していたはずである。韓国では、非引退世帯の12%は国民年金・退職年金・個人年金のいずれにも加入していない。

韓国では、高齢者の生活費の53.1%は働いて得なければならない。日本の高齢者の経済活動参加率は28.7%だが、韓国では41.6%と高い。しかし、40歳を過ぎて早期退職をした後雇ってくれるところはない。その多くは、単純労働や農林水産業である。

飲食店や商店を起業する人もいるがその多くは失敗し、老後の貧困に拍車をかけることが多い。韓国は儒教社会である。以前であれば、子どもが親の面倒を見た。しかし、今は子どももその子どもの教育費でアップアップしている現実がある。親の面倒は見てくれない。

一生子どものために働き、子どもには面倒を見てもらえない。50代で退職してお金がなかったらどうするか。30坪のマンションを売って10坪のマンションに引っ越し、その差額で生活していくしかないというのが現実である。

2011年の65歳以上の高齢者の自殺率は人口10万人あたり、韓国81.9人、日本17.9人であり、韓国はOECDの中で1位である。韓国で老後を送りたくないものである。

 

徴兵制が生んだ男女格差 過酷な韓国人男性の実態


これは番外編である。意外と知られていないが、昨年、韓国外務省の合格者の7割超が女性であった。一般的に筆記試験の成績を見ると女性の方がいい。しかし、韓国の状況は驚きである。他の国家試験についても資料はないが、同様な傾向だと聞く。

その一つの要因は、男性に科された徴兵制ではないか。男性が兵士に取られている間に女性は試験準備をしている。ある時、韓国の人に、女性についても同じ期間、社会奉仕活動に従事してもらうかしないと、男性はますます不利になるのではないか、と問うたことがある。その時の先方の答えは、そのようなことを言えば、女性団体の激しいバッシングを受ける、「それならあなた、子どもを産んでごらんなさい」と言われれば、答えようがない。

韓国ではますます女性が男性よりも高い地位に就いていくのではないか。

男性にとって何より不幸なことは、「キロギアッパ(雁になった父)」と呼ばれる現象である。子どもの教育のため、母子で幼少期から海外留学をする。父親は韓国内に残り、インスタント食品を食べながら、せっせとお金を稼ぎ仕送りをしているのである。それでなくても子どもができると家の中で居場所のない父親がいるのに、幼少期から子どもと離れているとますます、家庭の中で存在感をなくしていく。

 


● 超競争社会に対する不満が 日本に飛び火

このように、韓国の中で、競争し成功を収めていくことは並大抵のことではない。韓国ではなく日本に生まれたことをつくづく幸せに思う。

競争社会の中で必死にもがいても報われないとの不満。その不満が朴大統領に向いているというのが今の韓国の状況である。さらに、その不満の対象である朴大統領が在任中、日韓関係を改善しようとしてきたことから、攻撃の先が日本に飛び火しているのであって、朴大統領とはかかわりのない歴史問題、政治問題以外について韓国人の対日感情は決して悪くない。

次期大統領については、今の候補者の顔ぶれから見て、誰がなっても日韓関係は一層厳しくなると思われる。しかし、朴大統領という不満の対象がなくなれば、あるいは現在の格差問題が多少でも和らげば、そこから別の可能性が芽生えてくるかもしれない。

いずれにせよ、韓国をより客観的に、より深く理解することが重要である。

(元・在韓国特命全権大使 武藤正敏)

 

 

 

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