日本よ、侍国家たれ。

日本は「サムライ国家」としての意気を示し、いわれなき批判を仕掛けてくる不届き国家に対し、断固反論しなければならない。

●久保田るり子の朝鮮半島ウォッチ

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2017.12.30 01:00
文在寅氏が鮮明にする反日ナショナリズム 2018年韓国の攻勢が本格化


2018年の韓国は、歴史問題での攻勢に本格的に乗り出す公算が大きくなった。慰安婦合意をめぐる日韓合意の検証を受け、文在寅政権は合意を前政権の「負の遺産」として棚上げする方向だ。

徴用工問題も文大統領は賠償判決を出す司法判断を擁護しており蒸し返しが懸念される。さきに中国・重慶の「大韓民国臨時政府」庁舎跡を初訪問した文大統領は、日本統治時代の反日のシンボルを「韓国建国のルーツ」と再評価、2019年を「抗日100周年」で盛り上げる方針を出した。文政権が反日ナショナリズム史観を鮮明にしてきた。(編集委員 久保田るり子

 

 

大韓民国臨時政府にご執心

韓国は日韓合意の検証を外交とは切り離し、あくまで「国内問題」の体裁をとってきた。しかし、検証は文政権の意向をよく知る民間の左派ジャーナリストや元外交官で構成する検証チームが担当しており、当初から否定的な結果が出るのは目にみえていた。検証は「秘密交渉」など負の部分を強調し、文政権が合意を封印する口実を提供した格好となった。

朴槿恵前政権を弾劾に追い込んだ文政権は優先する政策に積弊清算(過去の悪弊を正す)を掲げて旧体制を断罪してきた。統治時代に日本に協力した親日派や財閥を攻撃してきた文大統領は歴代保守政権を旧体制と位置づけており、それは朴正煕、李承晩政権までさかのぼる。文氏はこれまでの発言で「韓国の民主政権とは金大中盧武鉉、そして文在寅政権」などと述べ左派系政権しか認めていない。

こうした思想傾向と歴史観はさきの訪中でさらに鮮明になった。韓国現職大統領として初めて重慶にある臨時政府跡を訪問した。

臨時政府(1919年~45年)とは日本の朝鮮半島統治下の1919年に起きた「3・1独立運動」を契機に金九などの独立運動家らが結成した組織で韓国の反日のシンボルなのだ。

 

政府とはいうが、実際は派閥抗争などで混乱して運動体に終わった。国際的な認知も全く得られなかった。だが、文大統領はご執心で、重慶では活動家の子孫らと会い「臨時政府こそが大韓民国建国である」と述べた。さらに2019年が百周年に当たるためこれを「建国100周年」として祝賀し、韓国国内に記念館を建てる構想まで打ち出している。抗日運動こそが建国との文大統領のこだわりについて、木村幹・神戸大大学院教授(朝鮮半島地域研究)は次のように分析する。

大韓民国臨時政府の神話を使い、自分たちこそが大韓民国の正統的な勢力、つまり主流派である、という立場を作り上げようとしている。つまり、李承晩、朴正煕と続いた親日派と結びついた《偽物の民族主義者》ではなく、本来の大韓民国は金九に代表されるような大韓民国臨時政府を主導した《本当の民族主義者》が作ったもので、その精神は保守ではなく進歩に受け継がれている、というストーリーだ」

 

 

中国にも抗日共闘を熱心に要請

韓国の建国は1948年8月15日だ。第二次大戦の終結で日本統治が終わり米国の軍政3年を経て韓国は独立した。だが、48年建国の韓国史は米韓同盟と日韓国交正常化で支えられ、建国と経済成長を李承晩、朴正煕という保守政権が担ったため、左派の文政権は反日民族主義で対抗しようとしている。

文大統領は中国に抗日連携を強く要請している。訪中で南京事件について連日のように言及、「韓国人は中国人が経験したこの苦痛に深い同質感を抱いている」と述べ、南京事件80周年の追悼行事に駐中韓国大使を派遣して「抗日闘争の歴史の共有」を強調した。文大統領は「両国は帝国主義による苦難を共に経験し、共に抗日闘争を繰り広げ厳しい時期を乗り越えてきた」とも語った。

文大統領に抗日史跡の建設を要請された中国は原則合意しているが、日中関係を管理しつつ反日路線を修正している現在の習近平政府は、熱く語る文在寅大統領に対し格下の扱いをするなど一線を画した。

こうした反日ナショナリズムを強調する文政権を韓国世論はどう見ているのか。日韓関係者によると「韓国の左派は朴正煕時代の『65年体制』と呼ばれる日韓体制が不平等だったとして不満が強く見直し論もある。文大統領の抗日史観は、こうした反日世論に強い支持がある」という。

 

 

徴用工問題は賠償の蒸し返し懸念

日韓合意に続いて蒸し返しが懸念されるのが徴用工問題だ。徴用工問題は1965年の日韓請求権協定で解決済みだが、文大統領は韓国最高裁判所が2012年に出した「(個人の)損害賠償請求権は請求権協定によっても消滅しない」との判断を擁護してきた。大統領就任直後、「個人の民事的権利は残っているというのが韓国の判例だ」と発言し、「賠償の蒸し返し」と大騒ぎになった。

その後の安倍首相との電話会談で文大統領は「この問題が両国間の未来志向の関係発展に障害にならなければよい」と応じ、いったんは沈静化しているが、発言を明確に撤回したわけではない曖昧な状態が続いているのだ。文政権のこうした姿勢を受けて、慰安婦像、徴用工像は増え続けており、韓国政府が問題を先送りにすればするほど日韓関係の悪化がさらに進むことになる。