日本よ、侍国家たれ。

日本は「サムライ国家」としての意気を示し、いわれなき批判を仕掛けてくる不届き国家に対し、断固反論しなければならない。

●驚きの米朝決裂…!日・米・北・韓「最も得した国」はどこか

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明暗はくっきりと分かれた

ベトナムハノイで開かれていた米国と北朝鮮の2回目の首脳会談は2月28日、合意に至らず、決裂した。勝利したのは米国のトランプ大統領、敗者は金正恩キム・ジョンウン朝鮮労働党委員長である。次に何が起きるのか。

記者会見したトランプ氏によれば、正恩氏は非核化に向けた十分な措置を示さなかった一方、経済制裁の完全な解除を要求し、これをトランプ氏が拒否して決裂した。会談前には、トランプ氏が「非核化を急がない」と繰り返し、正恩氏も非核化の意思を示すなど、楽観的な雰囲気が流れていた。

フタを開けてみれば、正恩氏の強気は完全に裏目に出てしまった。大統領が「とてつもないことが起きるだろう」などと終始、楽観的な見通しを語っていたので、トランプ政権の宥和姿勢を読み違えた、とも言える。

そもそも2回目の首脳会談を要求したのは、正恩氏の側だ。獲得目標があったからこそ会談を求めたのに、何も成果が得られないのでは、どう見ても負けである。正恩氏には大きな痛手になった。

正恩氏は制裁の完全解除を要求したために、逆に「制裁が効いている」こともバレてしまった。今回の米朝首脳会談は国内でも大々的に報じていた。それが会談決裂では、指導力に疑問符が付くのも避けられない。

大統領は前回のシンガポール会談で、北朝鮮が米国批判を強めたのを見て、いったん会談をキャンセルし、その後、相手が頭を下げてきたので、会談に応じた経緯がある。今回はハノイまで出かけてテーブルについたうえで、正恩氏に冷水を浴びせた形である。

普通の米国民からすると、アジアの貧しい小国が米国大統領に約束した話を平気で裏切った。それを大統領が今回、平手打ちしたような話である。トランプ氏の人気は高まるかもしれない。国内では、元側近証言で苦しい立場に立たされていた。大統領は帰途のエアフォース1(大統領専用機)機中で、上機嫌で側近たちとシャンパンを飲んだのではないか。

正恩氏に次ぐ2番目の敗者は、韓国の文在寅ムン・ジェイン)大統領だ。文氏は昨年秋、英国やフランスなど国連安全保障理事会常任理事国を歴訪し、懸命に北朝鮮に対する制裁緩和を働きかけてきた。正恩氏の忠実な「代理人」だった。

文氏は金剛山観光と開城工業団地の操業再開を狙っていたが、正恩氏がそれ以上の要求をしたために、すべて水の泡になってしまった。トランプ氏は「オマエが言ってきた話と全然、違うじゃないか」と思っただろう。これでは、トランプ氏にも合わせる顔がない。

文氏が親北容共路線であるのは、いまやだれもが承知しているが、正恩氏と十分な意思疎通ができているのかどうか、も怪しくなった。綿密に打ち合わせしていたなら、過大な要求をすれば、会談が決裂する可能性も想定できたはずだ。

今回の結末を見る限り、文大統領は正恩氏の単なる「使い走り」程度なのかもしれない。

日本も「勝者」と言っていい

トランプ氏に次ぐ勝者は安倍晋三首相である。日本とすれば、米国が下手に宥和姿勢に傾いて、非核化も拉致問題も日本を狙う中距離ミサイル「ノドン」の撤去問題も前進がないまま、制裁緩和に動けば、置き去りにされかねない局面だった。

それが正恩氏の強気のおかげで、会談決裂という結果を得た。最高とは言えないが、最悪でもない。むしろ正恩氏が負けたのは、日本にプラスである。とはいえ、これで北朝鮮が日本に経済支援を求めてくる可能性は当分、なくなった。

その限りでは、拉致問題の解決にマイナスと言えなくもない。ただ、北朝鮮経済制裁に音を上げているのは間違いない。ここは、しばし我慢のしどころだ。

中国とロシアも敗者である。中ロ両国は韓国と歩調をそろえて、北朝鮮に対する制裁緩和を求めていた。ところが、肝心の正恩氏が大きく出過ぎたために、せっかく北朝鮮を応援しようにも、応援のしようがなくなってしまった。

こうしてみると、今回の大失敗を招いたのは、正恩氏自身の稚拙さとうぬぼれ、見通しの甘さが原因だ。それを前提に、今後のシナリオを考えてみよう。

まず、正恩氏はどうするか。

稚拙さを考えると、メンツを守るために、再び強硬路線に戻る可能性はゼロとは言えない。トランプ氏をののしるか、あるいはいっそ、核とミサイルの実験を再開するか。私はどちらも難しいとみる。

 

交渉が決裂したからといって、トランプ氏を批判すれば、せっかく結んだ対話の細い糸が切れてしまう。いままで大事に育んできた「友情」も台なしになる。核とミサイル実験の再開はもっと難しい。そんな挙に出れば、再び軍事攻撃のオプションを招きかねない。

結局、正恩氏は経済制裁に耐えながら、なんとか頭を下げて、仕切り直しの会談を探るしかないだろう。

北朝鮮の代弁者」文政権の今後

トランプ政権はどうするか。一言で言えば、様子見だ。これまで通りの経済制裁を続けながら、相手の出方を見極める。相手が動かなければ「瀬取りの取り締まり」など、逆に制裁を強化する手もある。

韓国の文大統領はどうするか。「北朝鮮の代弁者」として走り回ってきたのに、この結果は無残というほかない。これからも代弁者を続けるだろうが、韓国の存在感は一挙に薄くなってしまった。

何かを語ろうにも「それで本当に上手く事が運ぶのか」と疑われてしまう。存在感の低下は、そのまま国内の求心力低下に結びつく可能性がある。「世界で相手にされない韓国になってしまったのは、誰のせいなのか」という話だ。

日本の安倍政権はどうするか。

これまで通り、粛々と制裁を続けるだけだ。トランプ氏がテーブルを蹴って帰国したのは、安倍首相が「安易な妥協はするな」と戒めてきた結果でもある。大統領はその通りに動いて、勝利した。トランプ氏からの信認は一段と厚くなったに違いない。