日本よ、侍国家たれ。

日本は「サムライ国家」としての意気を示し、いわれなき批判を仕掛けてくる不届き国家に対し、断固反論しなければならない。

■ 中国軍が台湾の奪取演習

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中国軍、台湾・東沙諸島の奪取演習を計画

5/16(土) 8:01配信

JBpress

東沙諸島は、堪江や三亜基地に配備されている中国軍戦力が台湾や台湾南方のバシー海峡を経て太平洋へ向かうルート上にある。

そのため、同諸島は、中国軍が台湾侵攻や太平洋に進出し、また、西沙諸島の軍事基地および南沙諸島の軍事拠点群と相まって南シナ海(のシーレーン)を支配するため戦略的に極めて重要であり、同軍にとって東沙諸島を奪取する必要性が益々高まっているのだ。

東沙諸島は、香港から約325キロ、台湾南部の高雄から約420キロの距離にある。

もし、中台両国間で同島を巡る武力紛争が生起した場合、「戦力集中競争」を左右する距離的な面、また、攻撃を仕かける側の主導性の面から見て、戦況は明らかに中国側に有利に傾くことになろう。

また、前述の通り、東沙諸島は、東沙島が約2800×860メートル(陸地部約1.74平方キロ)、環礁水域の面積が約300平方キロである。

もし、中国軍が東沙島を占領すれば、南沙諸島で行ったように、環礁水域を一挙に埋め立てて基地を造成することは目に見えている。

その広さは、約302平方キロ、東京ドームの約650倍となり、陸海空すべての部隊が展開できる一大軍事基地として重大な脅威源となる。

なお、本稿のテーマ上、特段に触れなかったが、中国軍が台湾に侵攻する場合、台湾の西約50キロの台湾海峡上に浮かぶ澎湖列島(面積126平方キロ)を奪取し、そこに侵攻基盤を設定して空軍などを展開することも付言しておきたい。

■ 追い詰められ台湾侵攻の暴挙も

中国共産党は、国内で党の執政に対する不満が高まれば高まるほど、それを抑え込むために、不満の理由を外国に転嫁し、外敵の存在を強調する手法を採ることを常套手段としている。

新型コロナウイルスによるパンデミックの責任を米国に押しつけようとしたように、である。

また、共産党一党独裁の中国では、党中央が決定し指示するトップダウンの意思決定しかあり得ない。

習近平国家主席は、毛沢東、鄧小平に匹敵する「核心的リーダー」、言い換えれば「皇帝」の地位を獲得し、自らの神格化と権力集中に成功した。

習近平主席は、前任の胡錦涛国家主席までのいわゆる集団指導体制を反故にし、毛沢東時代の永世党主席制の復活を目指していると言われており、その独裁的な権限行使は歴代政権の中でも際立っていると見ることができよう。

そうであるならば、パンデミックの責任を米国へ転嫁するような見え透いた、悪質な意思決定を行ったのは、ほかならぬ習近平主席本人に違いないとの憶測を生むのもやむを得ない。

その習近平国家主席は今、国内外で浮上する多くの難題にぶつかり、窮地に立たされている。

国内では、自ら引き起こしたコロナ禍によって2020年第1四半期の中国GDP国内総生産)は公式にマイナス6.8%となった。

初めてのマイナス成長で、何百万とも言われる会社が倒産し、失業者は2億人とも見積もられ、体制維持、権力維持の頼みの綱である経済成長に急ブレーキがかかっている。

中国は、いくら締めつけを強めても香港人民主化要求の決意を変えることができずにいる。

また、新疆ウイグル人に対する情け容赦のない弾圧をひた隠しにしてきたが、その恐ろしい実態が国際社会に暴かれつつある。

国外では、新型コロナウイルスパンデミックとなって膨大な人的損害と世界同時不況という世界的悲劇をもたらしたことから、その原因と責任を追及する動きが強まっている。

また、世界のサプライチェーンから中国を排除する経済的分離(デカップリング)の取り組みが加速されようとしている。

さらに、中国外務省・外交官の「助けてやっている」との横柄で攻撃的なスタンスや民主主義より中国共産党全体主義、強権主義)が優れていると主張する「強硬な政治宣伝(プロパガンダ)」などの「マスク外交」「コロナ外交」は逆効果となり、先進的な欧米諸国を遠ざけている。

特に、貿易戦争によって激化しつつあった米中の覇権争いを、コロナ禍が増幅させたため、米国では、国民や政治家の間にも中国に対する否定的な意見が拡大し、米中関係は決定的な対立局面に入ったと見られている。

世界的な危機の高まりである。

まさに、今回のコロナ危機を巡って露呈した「中国の真実」は、米国の有力上院議員から「中国はパリア国家(除け者国家=pariah state)として扱うべきだ」との意見まで噴出する有様である。

歴史的なターニングポイントといっても過言でない厳しい反応が世界中で巻き起こっている。

軍事面で中国は、世界が新型コロナウイルスへの対応に追われる危機的状況を利用して、中国の戦略的拡大に繋がるような行動を積極化している。

新型コロナウイルス後も、中国公船などによる我が国の尖閣諸島周辺海域への侵入は減少していない。

むしろ、日本の領海内に侵入して操業中の日本漁船に接近・追尾したり、空母「遼寧」や爆撃機宮古水道を往復するなど、挑発的な行動を活発化させている。

南シナ海では、領有権を巡り係争中の島々に一方的に新たな行政区を設定し、違法な領土権の拡張を強行している。

また、フィリピンの軍艦を脅したり、ベトナムの漁船を沈めたり、他国に海洋石油・ガス探査をさせないように脅している。

他方、中国が「核心的利益」として武力統一も辞さない構えの台湾問題は、頓挫しているというより、むしろ急速な台湾の「中国離れ」を招いている。

香港デモの影響が中国への反感を強め、2020年1月の台湾総統選挙では、与党・民進党現職の蔡英文総統が過去最多得票で圧勝した。

蔡総統の再選阻止を狙って軍事的威嚇や大々的な選挙介入工作を行った習近平主席にとっては大きな痛手であった。

蔡英文総統は、「一つの中国」原則を認めない一方、党が持つ独立志向を封印する注意深い立場をとる現実路線で米の信頼を得る戦略を進めている。

それに業を煮やした習近平主席は、コロナ危機の中にあっても、中国の戦闘機が台湾海峡の中台中間線を越えて台湾側への侵入を繰り返し、バシー海峡を通過した空母「遼寧」や爆撃機などの軍事演習の頻度を増すなど、台湾への威嚇や軍事的圧力を強めている。

以上のように、習近平国家主席は、国内外の難題にぶつかり、窮地に立たされ、いよいよ追い詰められている。

このため、危機を最も愛国的なテーマ、すなわち台湾統一にすり替え、国民の不満を逸らし、難局を打開するシナリオを描くことは十分にあり得ることだ。

そして、前述の通り中国にとって戦略的重要性を増す東沙諸島の奪取演習に、その矛先を向けようとしていると見ることも可能である。

それは、中国の台湾武力侵攻の予兆であり、前哨戦となるかもしれず、中国と米国・台湾との間で緊張が一挙に高まり、大きな紛争に発展しかねない危険性が潜んでいるのである。

■ 台湾侵攻、そのとき日本はどうする

マイケル・ピルズベリーが『百年マラソン』(野中香方子訳、日経BP社、2015年)で指摘したように、中国の夢としての「中華民族の偉大な復興」には、中国共産党創設100周年にあたる2021年と中華人民共和国建国100周年にあたる2049年の2つの時期的目標がある。

その中間目標とされる2021年を来年に控えている。

2020年の一人当たり国民所得を2010年比で倍増させ、最初の百年(2021年)までに経済力で米国に追いつき、軍事力などを加味した総合国力でも米国に対抗できる実力を養うという目標は、コロナ禍の影響で達成が危ぶまれる。

米国のプロジェクト2049研究所は、報告書『白い艦隊と小さな青い男たち』(White Warships and Little Blue Men)において、2020年から2030年の間に、中国が尖閣諸島と台湾を同時に軍事侵攻する可能性が高まっていると指摘している。

つまり、国内外で追い詰められた習近平主席が、国民の愛国心に火をつけ、中国に対する遠心力を強める台湾を、「中華民族の偉大な復興」の中間目標に掲げる2021年前後に、武力をもって統一したいと言う衝動に駆られる可能性は大いにあり得ると見なければならない。

そのため、ドナルド・トランプ政権下の米国は、「台湾関係法」を基本に、「台湾旅行法」(2018年3月)や「台北法」(2020年4月)などを制定し、新型「F16」戦闘機、フリゲート艦、M1A2エイブラムス主力戦車、携帯式地対空ミサイルなどの主要武器の売却や共同軍事演習への招待などを進めるとともに、米台政府関係者の交流などを積極的に行っている。

また、米海軍艦艇は、「自由で開かれたインド太平洋」戦略の一環として、毎月、台湾海峡を通過するなど、台湾の安全保障・防衛強化のための措置を強化している。

一方、日本では、安倍晋三政権下で平和安全法制が整備されたものの、日台関係の強化について具体的かつ目に見える形での政策的な進展が何ら見られない。

そのため、台湾では「日本に対する期待外れ」や「日本に対する失望」の感情が広がっているが、日本は、中国に過剰に配慮して、あえてそのことを見過ごしており、日台関係に重大な問題を投げかけている。

台湾の李登輝元総統は、産経新聞平成31年1月4日付)のインタビューで「仮に台湾が中国の手に落ちれば、日米にとっては喉元にナイフを突きつけられる状態になる」と日米に対し警告を発している。

その言葉通り、台湾有事は、決して他人事ではない。台湾への威嚇や軍事的圧力と併行して、尖閣諸島に対する中国の侵略的行動が活発化していることを考えればなおさらである。

そして、プロジェクト2049研究所も指摘しているように、台湾有事と南西諸島・沖縄から九州を焦点とした日本有事は、同時に生起すると考えておかなければならない。

つまり、我が国としては、自主防衛を一段と強化すると同時に、日本防衛と台湾防衛の「連結性」を強化することが喫緊の課題なのである。

それを目標に、台湾との安全保障・防衛協力を具体的かつ目に見える形で推進できるよう、真の「台湾加油」政策に、直ちに踏み出さなければならない。